「資産額」には「総資産額」と「純資産額」の2種類の概念が有る

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令和3年(西暦2021年)現在から数えてここ数年間、ビジネス/投資/資産運用系YouTuber・ビジネスコンサルタントの台頭によって、特にインターネット上の情報で「資産額7億円の金持ちYouTuber」「資産額50億円の凄腕ビジネスコンサルタント」というような肩書を標榜する者を見かける機会が多くなった。
これを見て、「資産額」に対する的確な判断・評価ができない多数派の日本人はその者達に対して「おお!すごい!」「もの凄い資産家だ!」「きっと優れた能力・経験を有しているに違いない」といった印象を持つであろう。
この投稿では、こういった肩書を適切に判断・評価し、「それが真実か」を推測し、万一にもビジネス/投資/資産運用系YouTuber・ビジネスコンサルタントに翻弄されたり騙されたりしないための基礎知識として「資産額」に関する「総資産額」と「純資産額」について、下記設例の①~④を有するビジネス系YouTuberを設例として記録を残す。

①手元紙幣・硬貨:30,000円
②事業用普通預金及び定期預金:1,000,000,000円
③古本屋で1,000円で買取してもらえる本:1,000円
④事業用借入金(いわゆる借金):1,500,000,000円

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総資産額

「総資産額」とは、その人間なり会社なりが保有する「資産」の金額価値のみを単純に合計したものである。
つまり、上記設例のビジネス系YouTuberの「総資産額」は、下記計算式の通り、1,000,031,000円(10億3万1千円)である。

①+②+③=1,000,031,000円

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純資産額

「純資産額」とは、上記「総資産額」から借入金等のいわゆる借金の合計金額を差し引いたものである。
つまり、上記設例のビジネス系YouTuberの「純資産額」は、下記計算式の通り、ー499,969,000円(ー4億9千9百9十6万9千円)である。

①+②+③ー④=ー499,969,000円

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上記を踏まえた「資産額」の正しい理解・判断基準

上記設例の通り、上記設例のビジネス系YouTuberは、【総資産額】で見ると約10億円を有しており、一般的や経済力の人間から見れば「すごいお金持ちだ!」というように見える。
その一方で、【純資産額】で見ると約5億円の借金を抱えている「ただの貧乏人」ということになる。
このように、単に「資産額」といっても【総資産額】で表すか【純資産額】で表すかで印象はまるで異なるものとなる。
ビジネス/投資/資産運用系YouTuber・ビジネスコンサルタントには、自身を優れた人間であると錯覚させ、自身を権威性で装飾するために様々なレトリックを用いる者が多数存在する。
そのレトリックの1つがこの「資産額」の表現である。
上記設例のビジネス系YouTuberは、経歴や資産額の誇張・詐称をせずに真実を語っても、確かに【総資産額】で見ると約10億円を有していると発言しても嘘偽りは無い。しかし、【純資産額】で見ると約5億円の借金を抱えている単なる借金持ちである。
それ故、ビジネス/投資/資産運用系YouTuber・ビジネスコンサルタントの信頼性を評価するための1つの判断基準として、「資産額」を正しく理解するためにこの【総資産額】と【純資産額】の概念を念頭に置くと良い。その際は当然、【総資産額】も判断材料の1つにはできるが特に【純資産額】で判断するのが望ましい。

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