試用期間中の「解雇」「本採用拒否」への対処法

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正社員/正職員として日本国の株式会社等の法人に入社/入所した場合、基本的にはどこでも3~6ヶ月間の「試用期間」が有る。
この試用期間中は、「解雇」や「本採用拒否」されることも有り得る。
これはこれは労働基準法 第20条1項・2項に定められており、具体的には、試用期間開始後14日間は即時解雇ができ、14日以降は解雇日の30日前に解雇予告通知書を作成、または解雇手当の支払いをする必要が有る、というものである。
なお、「解雇」とは別に「本採用拒否」という呼称も有るが、法令上で「解雇」と「本採用拒否」の明確な区別は定められていないため、「本採用拒否」は、試用期間開始後14日間と14日以降の「解雇」と一括りにして、ほぼ同義と理解して差し支えない。

では、本採用後の従業員と比べて、試用期間中の従業員は容易に解雇できるかと言えば、そうではない。いかに試用期間中の正社員/正職員であったとしても、基本的にはよほどの理由が無い限り解雇することはできないため、安心して良い。
3~6ヶ月間内といった短期間の試用期間中に「解雇」や「本採用拒否」を勤務先から告げられた時は、急なことで冷静な対処ができないであろう。そして、そのような時に下記リンク先の記事のような情報や過去の判例を見ても、自身の現状に完全一致する事例はめったに無いため、「自分が試用期間中に解雇や本採用拒否に値することをしたか否か」といった判断はできないであろう。
試用期間中に解雇したい!人事が覚えておくべき試用期間にまつわる正当な解雇事由
 URL:https://hrnote.jp/contents/siyokikan-kaiko-20200519/
納得できない!試用期間の終了時、本採用されずクビ(解雇)になった場合の対応方法とは?
 URL:https://www.futokaiko.jp/columns/435/
試用期間中に解雇されたら?能力不足と認められるのはこんな場合。
 URL:https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/000429.html
【弁護士監修】試用期間の解雇は可能?本採用を見送る場合の注意点とは
 URL:https://www.dodadsj.com/content/171017_law01_trialemployment/
試用期間中に解雇されたら|解雇が認められるケースと撤回させるための対処法
 URL:https://roudou-pro.com/columns/39/

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試用期間中に「解雇」や「本採用拒否」が裁判上認められる場合

それでは、どの程度の問題で有れば試用期間中に「解雇」や「本採用拒否」が裁判上認められ得るかというと、「下記に挙げるようなビジネスマナーや道徳的に致命的な問題を起こした場合」と大まかに解釈して相異無い。
・採用試験応募時に提出した履歴書・職務経歴書の記載内容や、採用面接での自身の発言中で、重大な経歴詐称をしていた場合
 【例】有名かつ大規模企業であるソニーグループ株式会社で5年間の勤務歴が有るとの虚偽申告
・無断かつ正当な理由の無い欠勤や遅刻を複数回して、上司の指導を受けたにも関わらず改善しなかった場合
・同僚にパワーハラスメントやセクシャルハラスメント等を複数回して、上司の指導を受けたにも関わらず改善しなかった場合

言い換えれば、上記のような問題を起こしていないにも関わらず、試用期間中に「解雇」や「本採用拒否」を勤務先から告げられた時は、速やかに弁護士へ相談して弁護してもらい、継続勤務または損害賠償金を求めて勤務先を被告とした裁判で争うと良い。この内容は弁護士へ確認済であり、このような事例は時々有り、弁護士的な表現をすると「”勝ち筋”の裁判」である。
この場合、裁判の判決が出るまでには1~2年程度がかかり、裁判中は恐らく勤務先からは出勤停止を指示され、生活上は無職のような状態になるが、この間は、転職先を求めて中途採用試験への応募や、資格試験勉強等の自己研鑽をしても問題無い。そして、裁判継続中に転職先が決まった場合は、そこへ転職して、裁判後に損害賠償金を受け取って終了、ということも可能である。

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本件についての補足事項

但し、本件については下記2点を補足しておく。
【補足1】
上記で、試用期間中の「解雇」や「本採用拒否」が裁判上認められ得る問題の程度感を例示したが、当然、事例毎によって、総合的に見た場合での問題の重大性の捉え方が異なり得ることと、人によって「どの程度が法律上・道徳上認められるか/認められないか」の微妙な解釈や判断度合が異なることから、試用期間中の「解雇」や「本採用拒否」に直面した場合は、必ず速やかに有能かつ親身になってくれる弁護士に相談し、適切な助言を受けること。できれば、日頃から労働問題に関する法律相談を気楽にできる弁護士や法律事務所を見つけておくのが望ましい。
【補足2】
勤務先の同僚から、試用期間中の「解雇」や「本採用拒否」が認められ得る問題を捏造された場合は、「解雇」や「本採用拒否」とは別途で名誉棄損で訴えることが可能である。


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