普段の日常レベルの通院においても同様のことが言えるが、特に(良くも悪くもその処置後には処置前の状態には戻れなくなる)手術等の重要医療行為を受ける前は、最低でも5院は受診及び事前相談し、【治療方法】【治療期間】【医療費】の3面から相見積をした方が良い。
その理由とその際の注意事項等は以下の通りである。
- 【理由1】医療技術は「病院」と「医師」によって差が有る
- 【理由2】その「病院」「医師」の医療技術は実際に確認しないと判断できない
- 【理由3】同じ治療内容であっても「病院」によって医療費が違う
- 【理由4】だいたい5院を比較検証すればある程度最適な治療方法が発見できる
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法1】まず最寄りの病院1院と最寄りの総合病院(大学病院級)1院に受診及び事前相談する
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法2】インターネットで自身の症例を得意とする病院を検索し、その内2院以上に受診及び事前相談する
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法3】複数の病院に受診及び事前相談する際に「○○の症例に詳しい医師の方に診察して頂きたい。」旨を伝える
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法4】複数の病院を受診する際に、その医師から○○の症例に詳しい「病院」「医師」がいるか、聞いてみる
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法5】インターネットで病院の口コミを複数確認する
- 【良い「病院」「医師」を見つける方法6】地方の都道府県在住であっても、東京都・大阪府・愛知県のような都市部の病院を受診候補に入れてみる
【理由1】医療技術は「病院」と「医師」によって差が有る
病院について、どの診療科でも同様であるが、一例として「形成外科」で例えると、「大竹皮膚科(フィクションの病院名)」といったどの地域でも近所に有りそうな単科の個人開業の病院も有れば、「東京大学医学部附属病院(実在する病院名)」のようないわゆる大規模な総合病院・大学病院も有る。
一般的なイメージとしては大規模な総合病院・大学病院の方が医療水準が高いような印象が有るだろうが、一概にそうとは言えない。
それをまず「病院の医療設備」の面から見ると、確かに大規模な総合病院・大学病院の方が最新かつ高機能の医療設備を用意している可能性が高いが、単科の個人開業の病院の方がむしろ特定症状の対する治療に特化したした医療設備を用意していることが有り、こういった特定症状の手術については大規模な総合病院・大学病院の医療設備よりも単科の個人開業の病院の方が高度な手術が可能になる。それゆえ、一概にそれらの病院の規模の大小では医療技術の高低は測れないのである。言い換えれば、医療設備については、大規模な病院より小規模な病院の方が優れている場合も有り、その逆も有るのである。
次に「病院の医療方針」の面から見ると、病院の規模の大小を問わず、病院毎に「○○のような手術手法を推進している。」ということや「××のような手術手法は病院の方針で採用していない。」ということも有る。それゆえ、「病院の医療方針」の面でも、大規模な病院の方が優れているとも小規模な病院の方が優れているとも断じることができない。
さらに「医師の技量」の面から見ると、これもまた、大規模な病院の医師の方が優れているとも小規模な病院の医師の方が優れているとも限らない。例えば、大規模な総合病院・大学病院の場合は、多数の研究論文を発表して経験値が高い優れた名医がいることもあれば、研修医から上がりたての医師もおり、前者であれば技術が高いことが見込めるが、後者の場合は経験値が低いことは間違い無い。さらに補足すると、経験値が低い研修医から上がりたての医師であったとしても、患者思いの人格面で優れた医師である可能性等も考慮に入れると、必ずしも経験値が低い医師の方が劣るとも限らないのである。逆に、経験値が高い優れた名医であっても、その驕りによって患者に対して親身な対処をしないことも有る。そして、小規模な開業医の病院の場合は、独立開業して自身の医療技術で病院運営と診療を長年に亘って行ってきた医師であれば、医療行為の技量が高い可能性が十分に有る。
これらの理由から、大規模な病院の方が優れているとも小規模な病院の方が優れているとも限らず、医療技術は「病院」と「医師」によって差が有るのである。
【理由2】その「病院」「医師」の医療技術は実際に確認しないと判断できない
上述の【理由1】の通り、大規模な病院の方が優れているとも小規模な病院の方が優れているとも限らず、医療技術は「病院」と「医師」によって差が有る。
では、多数存在する「病院」「医師」の医療技術を比較・確認するための確実な方法としては、実際に自身の病状や手術方法について受診及び事前相談をして、その力量を確認することである。
【理由3】同じ治療内容であっても「病院」によって医療費が違う
少なくとも、同じ治療内容であれば、医療費が安い方が良いのは間違い無い。
但し、自身の資金が十分に有り、医療費が高い所の方が【治療方法】【治療期間】の両面で優れているのであれば、そちらを選択した方が良い。
【理由4】だいたい5院を比較検証すればある程度最適な治療方法が発見できる
上記理由を読んでの通りである。
【良い「病院」「医師」を見つける方法1】まず最寄りの病院1院と最寄りの総合病院(大学病院級)1院に受診及び事前相談する
これによって、「大規模な病院の医師」と「小規模な病院の医師」という基礎となる2つの比較対象が得られる。
【良い「病院」「医師」を見つける方法2】インターネットで自身の症例を得意とする病院を検索し、その内2院以上に受診及び事前相談する
インターネットで自身の症例を処置可能として押し出している病院であれば、少なくともその症例に対する手術等の治療法は把握していることは間違いなく、その時点で一般的な病院よりは期待できると見て良い。
但し、インターネットで上位検索される病院の場合はビジネスとして広く広告を打って儲けることを目的としている病院も有るため、その点は「健全な懐疑心」を持って判断する姿勢が必要である。
【良い「病院」「医師」を見つける方法3】複数の病院に受診及び事前相談する際に「○○の症例に詳しい医師の方に診察して頂きたい。」旨を伝える
これによって、少なくとも、その病院の中では最も○○の症例に詳しい医師に診察してもらえるため、より確実な治療・手術方法の説明を聞くことができるようになる。
【良い「病院」「医師」を見つける方法4】複数の病院を受診する際に、その医師から○○の症例に詳しい「病院」「医師」がいるか、聞いてみる
これは特に、受診した際に「当院では治療できない。」といったことを言われた時に聞きやすい。
受診した病院の医師に「当院では治療できない。」といったことを言われたら、「もしご存知であれば、○○の症例の治療か手術ができる病院や医師がいれば、いくつか教えて頂けますでしょうか。」と聞いてみると良い。このような場合であれば、その病院・医師の俗に言うプライドを傷付けること無く聞くことができる。これによって、少なくとも一般人よりはその診療科の業界に詳しい医師からの専門的な観点からの口コミを聞くことができる。そして、それによって良さそうな病院や医師が聞ければ、そこへ受診及び事前相談すると、その治療方法についての視野が広がる可能性が有る。
【良い「病院」「医師」を見つける方法5】インターネットで病院の口コミを複数確認する
これはその「病院」「医師」に対する実質的なセカンドオピニオンの役割を果たし、自身が既に受診した病院の口コミを見れば、自身のその「病院」「医師」に対する評価が適切かの判断・補正材料となる。
また、できれば、「病院」「医師」に対する口コミは、自身のそこでの受診前に見ておき、かつ、その口コミで良くも悪くも先入観を持たずに公平な視点で受診すると、効果的にその「病院」「医師」に対して正確な判断ができる。
【良い「病院」「医師」を見つける方法6】地方の都道府県在住であっても、東京都・大阪府・愛知県のような都市部の病院を受診候補に入れてみる
東京都・大阪府・愛知県のような都市部の方が、地方の都道府県よりも病院自体の数が多いのは間違い無く、多様な医療行為のできる病院が存在する可能性が高い。そのため、都市部の病院も受診候補に入れると、最善の治療に辿り着ける可能性が高まることから、地方からでは高い交通費がかかるが、最善の治療のためにもその交通費を使うことは十二分に価値が有る。
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